2018年8月10日
イオン岡山未来ホールにおいて開催中「学ぶ!未来の遊園地」内にある、
全長15mの大きなすべり台はみなさんもう遊ばれましたか?
すべったあと、花火みたいに
果物やお花が咲いて、とても綺麗ですよね!
そのプロジェクションマッピング用のすべり台部分を、木薫で製作させていただきました。
(木薫とは?→木薫について)
4月の後半から取り組んだ、約3ヶ月間の製作過程をご紹介します。
まずは、大まかな図面や見積りのやり取りです。
この時点で、どんな素材を使うか、予算はどのくらいかを決定します。
今回は、発注者さんから
「組み立てて解体して、また別の会場で組み立てができるように」
というご希望がありましたので、
金物やベルトを使い、組み立て・解体の時間短縮を狙いました。
表からは見えにくいですが、
全体を支える柱や階段には、無垢のスギ間伐材を使っています。
(間伐って木をきること?→林業への想い)
プロジェクションマッピングが映えるように、黒く塗装していますが、
手で触っていただけると、木の感触が分かるかもしれません。
壁面、床にも、無垢材を使いたかったのですが、
今回は持ち運ぶことを想定しているので、シナベニヤを採用しました。
シナベニヤとは、薄くスライスした木の板を、何枚も重ね合わせたものです。
木材の中では比較的軽いため、
今回のような組み立て・解体や、持ち運ぶことを想定しているときには、ぴったりの素材です。
実は、こんなに巨大なすべり台なので、
すべり台の下にトンネルをつけて、
内部を全面木質化しようという計画もあったのです。
ですが、消防法が「だめ」と言ったので、泣く泣く取り下げられました(>_<)
いつか、リベンジしたいです!
素材や色が決まったら、”図面”を作って詳細を決定していきます。
“図面”とは、物を作るときの設計図で、
全体の長さや幅、部品ごとの大きさが描いてある紙です。
大工さんは、この”図面”を見ながら、家や遊具などを建てています。
今回のすべり台の”図面”は、いつも遊具のデザインや設計をしている
木工部のデザイナーさんが作成しました。
(デザイナーさんが設計した木製遊具はこちらから→大型遊具)
“図面”に合わせて、照明の専門家さんと、細かいところを打ち合わせします。
今回は、プロジェクションマッピングということで、もちろん会場内は暗くなります。
子どもたちは、すべり台をすべるために階段を上るのですが、
「階段でつまずかないように、段差に照明を取り付けよう」
「滑走のスタートになるところ(てっぺんの座るところ)で転げ落ちてしまわないように、手すりをつけよう」
などなど、
子供たちが安全に遊べるように、いろんな工夫を話し合っていました。
なにせ、初めてこんなに大きなすべり台を作るので、 そこで、原寸サイズのサンプルを作ってみることにしました。 写真は、原寸サイズの滑り台の4分の1の部分です。 4分の1サイズでもこの大きさ!でかい! 実際の大きさで作ることで、ちゃんと体重も支えてくれるし、 サンプルの確認をしっかり終えると、今度は材料の加工に入ります。
現場で、1発勝負で組み立て
というのは少し不安があったのです。
柱も、ぐらぐらしないことが分かってホッとしました。
柱など、基礎となる部分だけでも200個もの材料が必要になるため、
工場の仲間も手伝って、みんなで作りました。
5. 会場で組み立て
工場で材料の加工が終わると、
イベント会場に材料を運び、組み立てていきます。
会場では、多くの大工さんがお手伝いに来てくださり、とても助かりました。
柱を立て、床になる部分に、下地となるシナベニヤを敷いていきます。
シナベニヤは1.2cmととても薄く、1枚だと体重でゆがんでしまうため、2枚重ねになっています。
2枚重ねにしたことで、子どもたちがたくさん並んでも、大人が滑っても安心です!
6. 開場!すっごい滑るよ!
子供たちも、滑り終えるとすぐに振り返って、自分が滑ったあとの映像の変化を楽しんでいます。
この「学ぶ!未来の遊園地」では、子どもたちの笑顔や、大人でも驚く体験が溢れている空間です。
みんなが楽しんで遊んでくれること。
それは、簡単なことのようで、とても難しいものです。
木薫としてそのお手伝いができたことが、とても嬉しく思います。