もっくんのブログ

2019年3月22日

「リスク」と「ハザード」の違いを知れば、遊具はもっと楽しくなる!

子どもにとっての『遊び』は、とても重要なもの。

遊びを通して、様々な体験をし、心と体を成長させます。
友達との関わりから、社会的なルールを学べる機会にもなります。

しかし時には、危ない遊び方をして、思わぬ怪我をすることも。

そこで木薫は、危険性を2種類に分けて管理・対策しています。

危険は、〔リスク〕〔ハザード〕の2つに区別できます。
それでは、最近人気のボルダリングを例に、解説いたしましょう。



  リスクは遊ぶ楽しさのひとつ

〔リスク〕とは、遊びの楽しさにつながる危険のことです。
子どもが「こうすると危ない」と想像できる危険も〔リスク〕のひとつです。

ボルダリングの場合は、以下などが〔リスク〕になります。

・スタートからゴールまでの高低差

ボルダリングで遊び中1

・ホールドを掴まないと登れない

ボルダリングで遊び中2

・一緒に登って競争する

ボルダリングで競争

チャレンジしたくなるわくわく感が〔リスク〕です。

もし失敗したときも、「次はこうしよう」と学べることがあります。
子どもが想像できて、考えて動くことができるものが〔リスク〕となります。

〔リスク〕からは、以下のようなことが学べます。

・スタートからゴールまでの高低差 → 高いところに登れたという達成感が得られる

・ホールドを掴まないと登れない → 落ちないためにはどこを掴めばいいかを考えられる

・何人も一緒に登って競争する → 順番やルールを決める

子ども自身が気づけるので、危ないことを避けられます。

「登るのちょっと怖いな・・・」と思っている子でも、上手に登れる子のマネをしながら練習します。
そうすると、だんだん高いところまで登れるようになっていたりもします。

子どもの心にも、大きな影響を与えるのが遊びです。



  リスクをなくすと楽しさもなくなる

〔リスク〕はなくしてしまうと、遊びの面白さがなくなってしまいます。

子どもにとっての〔リスク〕とは、「これは危ない」「こうすると安全」と気づくきっかけになることです。
これは、遊びの価値のひとつでもあります。

小さなリスクに気づいたときに、危険を予測し、事故を回避できるようになります。

危険に気づいて避ける力を育てるためには、ある程度のリスクは残しておくことが大切です。



  ハザードは設計上のミス

〔ハザード〕とは、遊びの楽しさとは無関係の危険です。

ボルダリングの場合は、
・ボルトの出っ張りで服を引っ掛ける
・板の隙間で指を挟む
・遊具の配置が近すぎてぶつかる
・ささくれで指を切る
・ボルトのゆるみでホールドが外れる

遊具ハザードの例

これは、子どもの目線からは気づけません。

設計上のミスやメンテナンス不足によって現れる危険です。
骨折などの大きな怪我をしてしまうこともあります。

そのため〔ハザード〕は、設計のときから0にします。
アフターケアもおこない、メンテナンスをしながら異常がないか確認します。



  ハザード対策は設計段階から!

・ボルトの突起 → 柱のなかに埋め込む

・板の隙間 → 指が入らない、または簡単に抜けるサイズにする

・配置 → 子どもの動き方をシミュレーション

設計から、動線を確認する

・ささくれ → 点検でささくれの磨き直し

割れた箇所は磨き処理をする

・ボルトのゆるみ → 点検でゆるんでいる箇所があれば締めなおす

ボルトを締めなおす

〔ハザード〕が完全に取り除かれて、はじめて楽しく遊べるようになります。


  リスクとハザードの違いは・・・?

〔リスク〕〔ハザード〕の違いは、子ども自身が危ないとわかるかどうかです。

〔リスク〕による怪我は不注意、〔ハザード〕による怪我は構造上の欠陥といえます。

安全に気をつけるあまり、〔リスク〕もすべて取り除いてしまうと、面白みのない遊具になってしまいます。

ボルダリングも、高いところは危ないからと、低く短くしてしまうと、楽しさも半減ですよね。
すると、子どもたちは、大人が想定していない危険な遊び方をする可能性があります。
てっぺんから飛び降りたり、ジャンプして登ろうとしたり・・・

危ない遊び方をさせないためにも、〔リスク〕は遊具にとって必要です。


  目指すは、楽しく遊べる安全な遊具!

遊具は、子どもの自主性や創造性を育てます。

遊具で遊ぶ子ども

しかし、子どもは遊ぶことに夢中になって、危険に気づかないことがよくあります。
その危険に気づいて対策ができるのは、大人しかいません。

楽しくて、危険の少ない遊具なら、心と体をより成長させることができるでしょう。

木薫では、
わくわく・ドキドキの〔リスク〕は残しつつ、危険な〔ハザード〕は全て取り除くことで、
子どもたちが、楽しく遊べる安全な遊具を目指しています。

木製遊具はこちらから→遊具・家具一覧
大きい遊具はこちら→大型複合遊具
小さめの遊具はこちら→小型複合遊具
屋内用の遊具はこちら→室内遊具