もっくんのブログ

間伐材で作った木製仮杭の作りかた

2022年5月16日

『間伐材で作った木製仮杭』の作りかた

木薫が販売している『間伐材で作った木製仮杭』
林業の伐木調査や、伐率測量の時によく使われています。

この商品、実は木製遊具の端材を再利用しているんです。
SDGsゴール⑫「つくる責任つかう責任」の達成に向けて、廃棄物の削減・再利用をおこなっています。

それでは、木材からどのように仮杭になっていくのでしょうか。
製作過程を見てみましょう。

遊具をつくっているところ

まず遊具をつくらなきゃあ始まりません。
工場でつくり、納品も終わって、楽しい遊具の完成!

でも、仮杭はここからが本番です。
余った木材を片付けながら、使えそうなものをより分けます。

遊具製作時に余った端材

今回は角材が多めに集まりました。
大きい角材は遊具の柱の端切れ、小さい角材は遊具の屋根に使う垂木です。
長細い木材は壁板か、階段か、すべり台でしょうか?
この端材だけを使うことが、『間伐材で作った木製仮杭』のミソです。
仮杭を作るためにわざわざ丸太を切ることはしません。

手押しかんなで木材を削っているところ

端材が集まったら、つぎに表面を整えます。
『手押しかんな』という名前の機械です。
木を置いている下に刃が出ていて、4面あるうち、表に1回、ひっくり返して裏に1回ずつ刃を当てています。
ここで木のめくれや段差をなくしておくと、この後の作業が楽になります。

プレーナーで木材を削っているところ

『プレーナー』に通して研磨します。
この大きな機械のなかで刃が回転していて、木材を通すだけで綺麗になるという便利なものです。
ここで、幅が30㎜になるように目盛りを設定します。
そして、機械を通ったあとは……

ツルツルになった木材

こんなにツルツルになりました!
節をよけるように年輪がうねっていて、生命を感じますね。

帯鋸で厚みを整えているところ

つづいて、『帯鋸(おびのこ)』という機械です。
厚さ9㎜になるように木材を割ります。

例えば30×30㎜の木材だったら、杭9㎜+切りしろ5㎜+杭9㎜+切りしろ5㎜+あまり2㎜となります。
元となる木材の大きさによって数㎜余ってしまうこともあるので、その時は薪などになります。

プレーナーで厚みを整えているところ 厚みが揃った木材

もう一度『プレーナー』に通して研磨します。
厚み9㎜→7㎜に削りました。
基本サイズは6㎜ですが、木が乾燥して痩せることを見越して1㎜大きめに作っています。
さあ、もう一息です!

長さを揃えているところ

長さを40㎝に切り揃えます。
40㎝というのは、一般的なプラスチック杭を参考にして決めました。
腰袋やリュックに入れて持ち運びしやすく、下草が茂る中に打ち込んでも見つけやすい長さです。

丸鋸で先端をとがらせているところ 先端をとがらせた木材

つづいて、先端をとがらせます。
『丸鋸(まるのこ)』と、先端をつくる専用の『治具(じぐ)』を使っています。
平らになっているよりも、先が尖っているほうが土に打ち込みやすいため尖らせています。
けれど尖りすぎていると持ち運ぶときに危ないので、先っぽがツンツンしすぎないように気をつけています。

赤く塗装しているところ

最後に赤く塗装します。

なぜ赤なのか?
それは、森林のなかで見つけやすくするためです。
森林のなかは緑、茶、緑、茶、茶……
緑か茶色しかない場所では、赤色はとても目立ちます。
林業用の作業服が派手なオレンジ色なのと同じ要領ですね。

塗装後、乾燥中の仮杭

塗料を乾燥させます。
赤を塗った部分がくっつかないように、1本ずつ離して置いておきます。
塗料が乾いたら、仮杭の完成です!

『間伐材で作った木製仮杭』は、こちらで購入できます。
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