2018年8月24日
平成30年7月豪雨で、西粟倉村の中心を流れる吉野川は、縁まで水が上がってきました。
西粟倉村内でも、多くの方が避難をしました。
西粟倉村の男たちで組織される消防団では、
「寝ている場合じゃない!」と、土嚢を1000袋以上も作りあげ、
雨がやんだ次の日には、せっせと土嚢を引き上げて、元の土に戻したそうです。
水が引いた川を見てみると、そこには・・・
大きな木が橋にかかっています。
どこからやってきたのでしょうか。
その大木は濁流の中でもみくちゃにされながら、この橋に辿りついたようです。
皮がすっかり剥けてしまって、ちょっと曲がったクセのあるやつ。
両手を広げて念力で上げようとしてみたけれど、一人では力が足りません。
そこで、木薫(もっくん)の山部隊が出動!
いつもは、山の中で丸太を運んでいるトラックを
橋の中ほどに据え、ワイヤーを降ろせば準備は万端です。
まずはメジャーで長さを測り、大きさから重さを試算して、持ち上げられるどうか考えます。
しかし、この木は大きすぎる。
しかも水をたっぷり含んで重くなっている。
ここで、山師がチェーンソーを用意しました。
チェーンソーで流木を3等分に切って、軽くしてから持ち上げる作戦のようです。
ブルルルッ
チェーンソーのエンジンが動く音とともに、
山師の持つチェーンソーの刃が大木に入っていきます。
まっすぐ、木とチェーンソーの刃を見る山師の目は、すごく、格好いい。
そして、切られた木は、首をかくんと傾けたように揺れて、
自重によって土へと落ちました。
つぎに、切断した木にしっかりとベルトを結び、
ベルトにワイヤーを引っ掛けて、橋の上へと引っぱりあげます。
ここでベルトを適当に結んだりすると、
ベルトから木がすり抜けて、大変危ないことになります。
安全に作業できるように、ちょっとのことでも手を抜かないのが、木薫の山師です。
ワイヤーを操作して、吊るされた大木をトラックに載せていきます。
リモコンでワイヤーを操って、
丸太が崩れないように、下ろす位置を決める手は真剣です。
そしてこの流木は、西粟倉村内の温泉ゲストハウスへと運ばれ、
薪の材料になるそうです。
西粟倉村は、かつては山しかなかった村。
その山に人が入り、林業をするようになる。
そうして、合併を拒んだ小さな村は、林業を中心に自立の道を歩みはじめました。
「あるもので、なるように」
ここにある資源を最大限活かして、大きな価値へと変化させることのできる村。
それが、今の西粟倉村です。
山が整備されているおかげで、土砂崩れもほとんどありません。
平成30年7月豪雨のような、川があふれるまでになる状況は、
地元のおばあさんが語るには、「50年前に1度あったぐらい」だそうです。
橋にかかった流木は、川の流れに飲まれて傷が入り、土がかんでいるため、
製品としての材料には向いていません。
薪として温泉を沸かし、
人々の癒しになることが、
この流木にとっての「あるもので、なるように」なのではないでしょうか。
伐木内容:橋にかかった流木の撤去
材の利用方法:西粟倉村で温泉を沸かす薪
木薫では山だけでなく、庭、園庭などの立木の伐採もお手伝いいたします。
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