もっくんのブログ

2019年1月30日

木の製品は高いのに、丸太は安い!?値段のギャップは意外なところにあり!

いきなりですが、丸太1本がいくらで売買されているか、ご存知ですか?

なんと、柱1本分(3m)のスギ丸太は530円です!
これは、2019年現在の平均価格です。

丸太の値段

…実は、激安すぎて山主さんは赤字になるほど。
(「山主さん」=山の土地を所有している人のこと)

その理由は、木を切り出すのにも、さまざまな経費が掛かるためです。
内訳は、チェーンソー代や人件費、林業機械などになります。

林業でも、利益を出さなければ仕事になりません。
そのためには、丸太1本を平均710円で売りたいところです。

それでも、丸太は市場の競りで530円の値段が付き、
製材所で木材に加工した後、
問屋に製品として卸売りされ
工務店に買い取られて柱として使われます。

丸太が製品になるまでの流れ

それから、エンドユーザーであるお客さんの手元に柱が届きます。
最終的には柱1本2,400円にもなっています。

「ちょっと高くなりすぎじゃない?」と思われたことでしょう。

ですがこの仕組みも、木材に需要があれば成り立ちます。

たとえば、木材のバブル期には、住宅に「美しい柱」が大量に使われていました。
ヒノキの丸太が4,400円で売られ、柱が6,600円になったとしても、買いたい人がたくさんいるので、飛ぶように売れていきます。

しかし、今の住宅は柱をメインに見せることは少なくなりました。
「高くても美しい柱」が必要なくなったということです。

では、
Q.「美しい柱」以外に丸太を売る方法はあるのでしょうか?

A. 山主から丸太を直接買い取り、製品にしてから販売するなら、どうでしょう。

それは、ひとつの会社が林業と木材加工 両方の機能を持っていれば可能になります。

丸太が製品になるまでの流れ

まず、『林業と木工会社』が、丸太を710円で買います。
この時点で、山主さん側では、単純計算で180円も利益がアップしました。

山主さんは、丸太をより高く売ることができるため、多くのリターンが見込めます。

『林業と木工会社』は、丸太を最終製品に仕上げます。
自社で林業・製作・販売をおこなうことで、中間コストが大幅にカットできました。

コストカットできた分は、木製品の値段を下げることができます。

エンドユーザーとしては、ホンモノの木でできたテーブルやイスが、作り手から直接買えると、嬉しいですよね。

適切な値段で良い物が買える。
山主さんにもより多くのリターンがある。


そうすれば、みんなハッピーだと思いませんか?

西粟倉の森林

山主に多くのリターンがあれば、いいこと尽くめ。

間伐が進み、環境保全土砂災害に強い森林に育てられます。

「木材」を利用することで、木々に良い環境をつくることができるのです。

また、林業をおこなう会社は、子どもたちと森をつなぐ役割も持っています。

エンドユーザーと山をつなぐ林業

学校や地域で、『木育』をする手助けができます。

森林の見学や林業体験、木工教室を開催することで、
子ども達がホンモノの木と触れあえる機会になります。

都会に住む人にとって、山や木、自然が身近な存在になることでしょう。

丸太の橋を渡る子どもたち

丸太のままではなく、製品として仕上げてから販売する。

そうすることで、丸太には新たな付加価値がつきます。

丸太に付加価値をつける

さらに、自らの手で丸太を切り出し → 木製品をつくり → また木を切り出す。

そのことは、信頼できる人の手で、丸太が切り出されていることの証明でもあります。

木でできているイスやテーブルは、大量生産はできません。
ひとつひとつ手作りで、丁寧に作られているためです。

そのため、決して安い買い物ではありません。

木製の子ども用イステーブル

しかし、木製品でしか出せない価値があります。

『オーダーメイド可能』
『永く使える』
『修繕・リメイクが簡単』
『経年美化で味が出る』
『安全なデザイン』

国産の木を使った製品をひとつ買うだけで、
日本の山がキレイになります。

それは、森への恩返しです。

もし、あなたがイスやテーブルを買いたいと思ったとき、
木でつくられた製品も候補のひとつに入れていただけたら嬉しいです。

木製品も作る『林業屋』はこちら→木の里工房 木薫