2019年3月11日
森林経営管理法とは?
森林を、効率よく管理する ための新しい法律です。
山の土地を持っている「山主さん」の希望に合わせて、山を整備 します。
山の木を適切に切り出すことで、災害に強くて元気な山 を育てます。
誰が持ち主なのか分からなかった山も整備できるようになります。
いつから始まるの?
平成31年4月 から適用されます。
誰のためのもの?
山の土地を持っている一般の方 = 山主さん
市町村 = 役所・役場
林業をおこなっている会社や個人 = 林業経営者(木薫はここ)
以上の3人が関係者になります。
親や親戚から山の土地を相続した人も、山主さんとなります。
どんなメリットがあるの?
山主さんの場合:
山主さんは、自分が持っている山を役所・役場に預けると、山の管理 をしてもらえます。
また、丸太を販売した利益から、一部を お礼 としてもらえます。
山主さんが自ら林業をしている場合は、引き続き支援をします。
役所・役場の場合:
山の持ち主 が誰かハッキリします。
持ち主が分からない山は、役所・役場で管理できます。
放置されていた山が手入れされるので、土砂災害等の 災害対策になります。
林業経営者の場合:
より広い範囲の山で林業ができます。
林業作業道を、効率的 なルートで作れます。
いままで持ち主が分からなくて、入れなかった山でも林業ができるようになります。
どういう内容のもの?
山を役所・役場に預けて、長期間、計画的に管理してもらうための仕組みです。
この法律が制定されたのには、以下の理由があります。
その①
まずは、山主さんに山を 計画的に管理 してもらいたい
その②
これから良材を育てるためにも、間伐に適した時期 に来ている
その③
いままで、持ち主が分からない山には勝手に入れなかったが、災害対策 が必要である
その④
乱伐、盗伐の事例があるため、計画のとおりに整備する、信頼 できる林業へ
基本となる流れはこうです。
まず、山主さんが役所・役場に、自分の持っている 山を預けます。
役所・役場は山主さんの希望を聞き取り、目指す山の姿にできるよう 計画 します。
計画にしたがって、林業経営者が山の 整備 をおこないます。
林業経営者は、役所・役場の代理として、山の整備をおこないます。
計画のとおりに木を切り出し、山を健康に保つために間伐などをおこないます。
必要なら、林業機械が通れる道を作らせてもらうこともあります。
切り出した丸太を売って、利益が出たら山主さんに お礼 として一部をお返しします。
数多くある山のなかには、誰が持ち主なのか分からない「所有者不明林」があります。
その場合は特例として、役所・役場が一時的に山の持ち主になります。
まず、役所・役場はがんばって山の持ち主を 探します。
それでも持ち主が分からなかった時は、「こうやって木を切り出します」という 計画書 を公表します。
公表から6ヶ月経って誰も反対しなかったら、役所・役場が仮の持ち主となります。
公表された計画どおりに、林業経営者が山を 整備 します。
QとA
Q.絶対に山を預けらんといけんの?
A.山主さんが誰か分かっていて、きちんと管理できていればそのまま続けて管理できます。
Q.山を預けたら、なにか良いことあるん?
A.切り出した丸太を売って、収益がでたら一部をお返しします。
山を整備することで、山の環境も良くなります。
Q.山を取り上げるんか?
A.山主さんから、所有権は取りません。
山に入れる権利、管理できる権利だけ譲ってほしいのです。
Q.役所・役場の方針に従わなかったら、強制的に「所有者不明林」にされて、勝手に木を切られるん?
A.山主さんの希望が最優先です。
山主さんがきちんと管理している山の木を勝手に切ることはありません。
Q.山主さんの意見を無視して、木を切ることはあるの?
A.役所・役場が、ちゃんと希望を聞きにいきます。それから、どんな山にしていくかを一緒に決めます。
Q.山の木を全部切るん?
A.山主さんの希望に合わせます。
山によって日当たりや土の性質が違うので、その山の環境に合わせて計画します。
Q.1回木を切り終わったら、あとは放置なん?
A.全部の木を切り出す山の場合は、新たに植林をすることを計画書に入れます。
さらに、植林した苗を育てることができる林業経営者に整備してもらいます。
Q.自伐しとるんやけど、預けらんといけんの?
A.きちんと管理できてれば、そのままで大丈夫です。
山主さん自身で管理できるように、これまでと同じように手助けもします。
Q.知り合いに木を切ってもらっとんやけど、いったん役所・役場に預ける形にせんといけんのかな?
A.山をきちんと管理できていれば、そのまま管理を続けられます。
Q.太くて、立派な木を育てたいんやけど、それでもええか?
A.大丈夫です。良い木を育てる管理計画を立てましょう!
Q. 林業経営者が倒産して整備してもらえなくなるリスクはあるの?
A.はじめから、山を長期的に整備できる林業経営者を選定します。
また、役所・役場がなくならない限り、途中で放り出すことはありません。
Q.切った木はどこに行くん?
A.丸太を品質別にA~Cに分けたあと、さまざまな製品になります。
A材は住宅・家具、B材は加工板、C材は紙・薪、山に残した丸太は動物の住み処になります。
この制度は、西粟倉村の山の管理体制に、とてもよく似ています。
小さな村ではうまく回っていた制度ですが、これが国全体となると、いったいどのように動いていくのでしょうか。
ネガティブになりすぎずに、一度、近くの山を見てみたら、なにかが変わるかもしれませんね。
先代が植えた木を、私たちが大切に育てて、未来に託してみませんか?
林業について詳しくはこちら→ 林業への想い