2020年6月26日
農業や漁業は、廃れるとご飯がなくなる。だから大事!
という理屈は分かりやすい。
では、林業の場合はどうですか?
林業が廃れても、森の木が減らなくていいんじゃない?
そのぐらいの認識ではありませんか?
なぜ林業が必要なのか?
なんのために木を切り出すのか?
林業って実際なにをしているのか?
そこのところ、ちょっとだけ気になりませんか?
林業について知るには、まずは森のことから!
実は、ここだけの話なんですが、
森には、自然にできたものと人工的に作られたものがあるんです(小声)
大きく分けると、天然林と人工林という2種類に分けられます。
天然林とは、自然に出来た森のことです。
人が手を加えてはいけない場所です。
「森ってどんなの?」と聞かれて、多くの方が想像するのはこちらでしょうか。
人工林とは、植林された森です。
畑や養殖場と同じように、木を育てていくための森です。
「木の畑」というイメージが近いでしょうか。
人工林は、日本の森の40%もあります。面積でいうと100000㎢で、関東地方の3倍以上です。
森が2種類あるということは、つまり、森=すべて太古の昔からある木ではない、ということです。
それでは、人工林について詳しく見ていきましょう。
人工林とは、植林→間伐→伐採→植林というサイクルを繰り返すための森です。
しかし、日本には、適切に管理されていない人工林が多くあるのも事実です。
人工林は、人の手で作った森だから、最後まで人の手で管理しなければいけません。
森は手入れをするもの。
ここ大事。テストに出ます。
だけど、わざわざ木を切らなくても、植林だけやっていればいいんじゃない?と思ったかた。
木を植えるのももちろん大事ですが、今は木を切って使う時期でもあります。
人工林の木を切りだす理由は、ふたつあります。
ひとつめは、人工林には“間引き”が必要ということ。
人工林は「木の畑」という言葉どおり、良い木を育てるための場所です。
育て方は、野菜の間引きと似ています。
小さな幼苗のころは密集して植えて、時期が来たら間引きます。そうすることで、まっすぐ太く、中身がつまった良い木になります。
ちなみに、森の木を間引くことを「間伐」と呼びます。
間伐は、植林から10年経ったころから始めて、5年おきに何度もおこなわれます。
人工林の木を切る理由のふたつめは、木の“年齢”です。
日本では戦後、「拡大造林政策」により、全国に植林の動きが広がりました。
それから半世紀を越えた現在。日本には、50歳以上の木がたくさんあります。
50歳以上の木は、製品として幅広く使える木材です。
あなたの周りにも、木を使っているものがあるはずです。わりばし、えんぴつ、テーブル、いす、トイレットペーパー、コピー用紙、住宅、家具、遊具……
これらの製品には、森から切り出された木が使われています。
お肉を食べるのにも動物を殺さないといけないように、木を使うためには木を切り出さなければいけません。
じゃあ木を切り出すのは誰か?
それが林業です。
人が作った森だから人が守らないといけない。
人が守るべき森を、ちゃんと管理して維持するための仕事が林業です。
森を管理せずにほっぽっていたら荒れます。森が荒廃したらどうなるのかは、なんとなく想像できますよね。
地球温暖化が進んだり、土砂崩れや洪水が起きたり、動物が人里に降りてきたり、水が濁ったり……
だから、森は手入れするべきなのです。
あなたに林業をしろとはいいません。
だけど、農業や漁業と同じように、林業も大事な産業だってことを知っておいてもらえると嬉しいです。
林業についてもっと詳しく知りたい方はこちら→林業への想い