もっくんのブログ

ヒノキの板

2024年5月28日

なんで国産木材って高いのさ

ホームセンターの木材コーナーで、いろんな種類の木材がずらりと並んでいます。
同じ木材なのに、国産と外国産で値段が全然違うのを見たことありますか?
国産の木材が高いと、使いたくても手が届かない……
国産材が外国産材と比べると値段が高いのには理由があります。

その理由のひとつは、「山の木が製品になるまでに人手がたくさん必要だから」です。 山の木が製品になるまでに関わっている人々のイラスト 山の木が製品になるまでには、調査→伐採→運材→丸太市場→運材→製材→製材市場→加工→小売といったいくつもの過程があります。これらは人が行っています。

そして、人が行っているということは作業賃がかかります。
作業すれば給料、車で運べば燃料代、間に入れば手数料や仲介料が発生し、その分が木材価格に上乗せされます。

外国産材も流れとしては同じです。けれど、最終的な木材の値段が全然違います。
それは、林業のやり方が違うからです。 外国の林業の図解。平らな山で大型林業機械が作業している。 外国の林業は広大で緩やかな土地でおこないます。
大きな伐採機械で木を切るのが主流で、その前提で林業が効率化されています。
立木のすぐ真横に重機を寄せて、5分もかからずに丸太にしてしまいます。
これは、外国の山が緩やかな斜面で、大きな機械が入りやすいからできることです。 日本の林業の図解。急斜面の山で林業機械とチェーンソーが作業している。 日本の林業は急峻地形の山でおこないます。
急峻地形の林業の特徴はふたつ。
・斜度がきつくて作業道が狭いこと
・道がぐねぐね曲がっていること

つまり、大きな伐採機械が木のすぐ真横まで入れません。
機械が使えなかったらどうするか。
人の手(チェーンソー)で木を切るのです。
外国と比べて日本では、チェーンソーの出番が多め。木を切る役は基本的にチェーンソーで、作業道近くだけ重機という分担をしています。

大きな重機が入れないということは、もちろん大きなトラックも入れません。小さな運材車で山のふもとまで丸太を運びます。積載量にも限界があるので、何回も往復します。
急峻地形の山では、木を切るのにも、丸太を運ぶのにも人手と時間が必要です。

国産材と外国産材を比べたときに国産材が高く見える理由は、人件費がいっぱいかかるから。
木材の値段を安くしようとしても、人件費はなかなか削れない部分です。
人手がないと丸太を作れないし、人に働いてもらったら給料を出さなければいけません。
それでも、利益ゼロむしろ赤字で木を販売している山林所有者もいるくらいです。

木材価格・山師の給料・林業効率化と、解決するべき問題は山積みです。
「木材の値段には理由があるんだな」と少しだけ覚えていてもらえると嬉しいです。

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